誕生までのいきさつ
東京大学は、明治10年以来、帝国大学時代を含め、120年間に約20万人の卒業生を送り 出しました。これらの人材は、明治、大正時代を通じて日本の近代化に大きく貢献し、ま た戦後の復興と経済発展の一翼を担ってきたと申して、過言ではありますまい。昭和、平成の卒業生で現存者は、推定12万人に達しますが、これまで不思議なことに「 東京大学同窓会」と称する組織がありませんでした。
他の国立大学では一橋大の如水会、私立大学では早稲田の稲門会、慶応の三田(連合) 会など、全国組織の同窓会があり、活発に動いていますが、われわれの母校東大には、 それがなかったのです。
一部の学部同窓会(経済学部の経友会、医学部の鉄門クラブ、工学部の丁友会)や、学 科・ゼミナール単位の小規模な集まりはありましたが、全学部を網羅した組織になかな か発展しませんでした。
社会に出た東大のOB・OGたちは、他の大学出身者が同窓会を開いたりしているのを 見て「なぜ東大には同窓会がないのか」と、寂しい思いをしていたに違いありません。
そんな素朴な疑問がきっかけとなり、昭和40年前後に卒業した有志の輪が拡がって、平 成元年(1989年)4月、東京大学全学同窓会としての「銀杏会」が誕生しました。
発足当初の状況
当時既にあった関西東大会や東海銀杏会(昭和63年設立)、女子卒業生の「さつき会」 のほか、静岡赤門会など地区、ブロックで活動していた同窓組織とも交流を進めながら 、次第に会員数を増やす一方、平成2年6月には、会長に林健太郎元東大総長を迎え、 5年5月からは、向坊隆元総長にお願いしております。林前会長は、現在名誉会長です 。また、平成3年7月に、川村皓章元総理府総務副長官(23工)が代表幹事に就任、常任 幹事・幹事を選び、総務・組織・会報などの各委員会を設けて、体制を整備するととも に、大学当局との連携を図って参りました。
その一環として、平成4年5月の会員総会・懇親会に、当時の有馬朗人総長と、佐藤孝 安学生部長が初めてご出席下さいました。吉川弘之現総長や石井、鈴木各副学長も、そ の後の総会・懇親会にご出席頂いております。
支部づくり
OB・OGをひとりぼっちにしないために「銀杏の輪(和)を広げよう」をスローガン とし、各県に地区支部を設立することに力を注いだ結果、平成3年に千葉銀杏会、5年 に神奈川銀杏会、6年に埼玉銀杏会と、それぞれ支部が設立されました。さらに、組織委員会の努力により、東京大学の所在地であり同窓生多数が在住・在勤す る首都東京にも、平成7年6月に東京銀杏会が発足しました。政・官・財界などの重鎮 を正副会長・顧問等に迎え、約1,100人が会員に名を連ね、初代会長には長岡實東証正 会員協会顧問(22法)が就任されています。
今後とも、各道府県またはブロックに支部をつくるべく、組織委員会を中心に準備を進 めているところです。
現在の活動状況など
会員数は発足時の300人から、7年7月現在、約4,000人に増えました。これを、一両年 中に5,000人に、さらに今世紀中には10,000人にすることが当面の目標です。銀杏会会則を持っており、最高意思決定機関は会員総会です。会員総会には、年1回の 通常総会と臨時総会があります。
会務執行上の重要事項は、総会で選出された幹事で構成する幹事会が審議・決定し、幹 事の互選による代表幹事、常任幹事が、会務を分掌しています。
具体的には、総務・組織・会報の3常設委員会と、基本問題委員会などの特別委員会お よび事務局による体制です。
組織委員会のなかには、国際連絡分科会があって、海外在住の同窓生をネットワークす るための準備・検討を行っています。また、大学当局との提携・連絡のため、本学連絡 分科会が設けられました。
活動内容としては、年に1、2回の会員総会・講演会・懇親会を開くほか、会報「銀杏 」を年2回(現在第10号まで)、「会員名簿」を適宜発行しております。また、大学当 局の承認を得て作成した銀杏マークのバッジを、銀杏会の諸会合の際には必ず帯用する よう呼び掛けています。
このほか、各界の若手メンバー中心の横断的勉強会である「文行会」、情報処理技術・ サービスなどにかかわるビジネスの勉強会「情報処理ビジネス部会」、会計の専門職と 会計に関心の深い経営者・管理者の勉強会である「会計人銀杏会」、生命保険業界で働 く同窓生による「生保銀杏会」――など東大卒業生の集いならではの活動を行っており ます。
業種別銀杏会としては、損害保険、建設、環境関連、マスコミ――などの各界で活躍し ている同窓生によるものも準備中です。
また、地区支部には、ゴルフ、囲碁、カメラ、テニス、旅行などのスポーツ・趣味の会 があり、地区合同での活動も行われています。
将来展望
同窓会としての歴史が浅く、まだ財政・組織の基盤が十分固まったとは言えませんが、 前記の諸活動を通じて根気づよく勧誘を続け、組織化の努力を積み重ねることによって 、「銀杏の輪(和)」を全国隅々にまで拡げ、東京大学全学同窓会の名にふさわしいも のに発展させたいと考えています。そのためにも、良識をベースとする親睦・交流の場を用意し、知性を尊重する自己啓発 の機会を創造するとともに、母校の活動を支援することによって母校の発展に寄与し、 さらに、社会に貢献していく同窓会にしたいと念願しております。
学内に事務局の設置が許されれば、同窓会としての諸活動に好都合でありましょうし、 五月祭の折などに安田講堂での会員総会の開催が許されれば、同窓会としてさらなる発 展が望めるのではないでしょうか。
組織 氏名 卒年学部 住所 連絡先(TEL) 東京銀杏会 三田和美 36文 100千代田区大手町2-2新大手町ビルB2、株式会社ニッコクトラスト気付 03-3279-4062 神奈川銀杏会 鶴見俊一 23工 241横浜市旭区南希望が丘90 045-391-5205 千葉銀杏会 岩原武司 46法 279浦安市入船5-41-4 0473-53-5787 埼玉銀杏会 佐藤清康 49育 354富士見市上沢1-6-14 0492-51-2882 東海銀杏会 田辺和夫 37工 471豊田市水源町2-22-34 0565-27-0665 静岡赤門会 村山正平 24工 420静岡市北安東5-44-10 054-245-5259 関西東大会 薩摩和男 49法 541大阪市中央区本町4-6-4 株式会社美々卯内 岐阜銀杏会 加藤貞美 59保 507多治見市希望丘3-6 0572-23-0894 札幌駒場家会 佐々木 宣 29経 471札幌市厚別区もみじ台北4-2-1 011-897-3156 鹿児島銀杏会 岩元庸一郎 54経 891-01鹿児島市南栄1-4カクイ株式会社 0992-26-4034 沖縄赤門会 上原 昭 49経 901-03糸満市西崎町3-93 (海外銀杏会) 韓国東京大学同窓会 趙 萬濟 28経 (業種別銀杏会) 生保銀杏会 高山 学 63医 229相模原市二本松4-21-12 会計人銀杏会 中地 宏 29経 107港区赤坂1-12-32アーク森ビル 東京法律会計事務所 (諸会) さつき会 木本彰子 163-04新宿区西新宿2-1-1新宿三井ビル内POB300
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